ダルウィーシュの一遍の詩

https://m.youtube.com/watch?v=NIirqJ1Ow8Q

グレートフルデッドでもなくエグベルト・ディスモンチでもなく、中東レバノンのシンガー。マルセル・カリフ。詩はマフムード・ダルウィーシュ。パレスチナから亡命したときのことを詩に綴ったのかもしれない。


詩訳

  パスポート

このパスポートが吸い込む肌の色
その影のわたしを
彼らは許してくれなかった
いく枚かの写真を集める愛好者
一人の旅行者を
彼らは許さなかった
…あぁ、どうか置き去りにしないでおくれ

太陽のかけらもないわたしの手のひら
樹木たちはわたしを許してくれるからって
月のように青ざめたわたしを
…あぁ、どうか置き去りにしないでおくれ

わたしの手のひらにすべてがあつまる
ついてきてくれる
はなれの空港のドアへとついてくる

すべての小麦畑が
…囚人たちが
白い御影石のお墓が
境界線の有刺鉄線が
風に揺れるハンカチーフが
…人々の瞳が
それらすべてがわたしと一緒についてくる

だがわたしのパスポートからそれらすべてが剥奪されていった


わたしがいつ名前と人格をはぎ取られたか?
私自身の手で育てた土の上のどこで?

今日、ヨブが空を満たし大声で叫びました:

どうか私を二度と罪にきせないでください
、紳士、預言者は名前を木に尋ねません
母がそうであるように谷に尋ねません

私の額から、光の剣を破裂させるからと
私の手から、川の水を跳ね返すからと

人々の心はすべてわたしの身です
だから、
だから、わたしは
パスポートを手放さない!