意識する体系1 

戦慄の雷イカズチを
落とす役割は
必至の責務に
かられて
失念と忘失に綴じ
怒りを山瀬
目に見えぬ
大陸と大海の肩に
触れるその霊は
目に付随する瞬間トキを宿し
永遠の
イメージを模るように
決定的で
半ばちぐはぐに踊ってみせた
ハンモックの黒い赤子の
ふたつの手のひらが振っている
喜びと哀しみを握りしめた拳を
幾多の先人の斜交いを滑りながら
緑の萌える 幾多の彩りを
いつか見分ける瞳を 視るだろう

暗い瞼で乳房を咬みながら
味わう豊潤な歓びを
いつか観る瞳が知るだろう
そうして人の愛くる世界を
聲の側カタエに看るだろう

僕はクシャミし
毛布にくるまり
耳障りな
ヘックシ

風邪をヒク よな
カスカラカン
ほこりの掘っ立て小屋の街に
立ってるみたいでしょ
しークシ
鼻水、ポシュン
涙、ポロロ
ヨダレ るるるh ooラララ

キミがクシャンとクシャんだから

ぼくは
鼻水、ポシュンだ

涙、ポロロ ロロロロロ
ヨダレ るるるh ooラララ

輪踊ワルツ
哀愁の山河
橋のたもとでタクトを振っていた。
年老いた男は目を閉じ
じ〜っと、ニッコリ
黙り・コックリ
うつむぃた
鈴の音が
聴こえていたのだろうか。

そぅして彼はタクトの神経を両の指先から肩上半身・全身に
気を込めサッと振り上げ、
そうしてゆっくり振り降ろした。
いつか消えよとこの別天地
空よ、あげつらう君たちへのレクイエムだ!
さらば
ならば
それならば
さよならと

 言葉は

理性を持つことによって自然から切り離され、本能を失った(弱められた)のが人間と言う動物の最大の特徴でしょう。「人間は言葉を持つ動物だ。」など、人間が他の動物と異なる特徴として色んなことが言われてきました。「人間は道具を使う動物だ。」という言葉によって後世に名を残した思想家もいます。もし私が、「人間はオナニーをする動物だ。」と言ったとしたら、この言葉によって、私は後世に名を残すのでしょうか。人間以外に、(芸として仕込まれることなく、自発的に)オナニーをする動物がいるのでしょうか。私が聞き及ぶ限りにおいては、多くの大人は、実際のセックスよりオナニーの方が気持ちいいと思っているようです。真面目な話、人間が、言葉を持つということと、道具を使うということと、オナニーをするということは、同じコインの三面であるような気がします。


呑み干されたワイングラスのシンバル
人差しの指先を赤く注ぐ過去の寝息
うわずる声に唇絡み合う、吐息の音階
フェニキア ソロモンの ルカチア
宝石 蝶の舌の ルカチア

気持ちよく眠る汝の袂
女の緋色のくちびる
マイクを忘れた女の緋色のくちびる
反吐の寝息が立つ
膨らむ腹部に膨らませながら
聴診器をあてながら僕は
女郎の群れ飛ぶ蠅どもの
男どもの胡散な五月蠅い羽音
過去に萌すキザスその記憶
一人かの、女は寝息立てながら
僕の弦の呼吸を知っているかのように
知ったかぶりながら、無口なまま、番いは閉じていく
朝の星をかたえに携え
たがいに夢見
涎をたらす
のだろう
呑み干されたそいつのグラスに
残り滓のワインを注ぎ
僕はいまだ眠らず

自分の方膝を抱えながら独り、
目醒めるそいつの朝陽となろう
煙草を吸い噴かす煙と 飲み残しのワインをあおる
寒さに打ち震える 鳥肌のたつ 路上の傍らで
調子を合せながら
吹雪く眞白い、
瞼の欄干の体温を、腕に持ち
流れる文字を留め
落ちていく
涙をメモり
ひねもす
よもすがらの


面長き南国のブラジリアから旅に来た 
画にしたためながら、
玄関の扉で佇む 
いつかの かの、想い かえす






音無し小道

/汗ばんだ長シャツ通して
自転車押して
ホホボね空けて

詠みありく

雨粒の骨各よ

葉群ハムラのかげから隠れて見える
顔と顔とが
仰向くよ

ホッテンのうずまき青く色な染(ず)ギャラクチカ


…なお踏みとどまりてヨミアリク


雨宿の軒下に
暗天に青くむらさく
花束よ

顔をうずませ
湿めりを吸い込み
清浄より狂(クル)えて冴えた
匂ぃしか
目覚めて才の
花が開いた静かな詩歌

夜の紫陽花
眺めて帰って
アジサイの束が歌ってた

ゆぅるる夜道に
花が咲いたか
顔色見えたか
雨の紫陽花

ヒィダひだ
肩に落つ
雫の染みた
青いシャツ

ゆうらュラ揺れて
雨宿り
紫陽花ィろの汗が
ポッポッとしゃがんで咲いて
うずくまってる

好きだな紫陽花。、空色な花がひとつひとつ束ねられてる姿がいい

寝言の綴りを
   今も耳の奥に奏でる
   奇跡の鳩よ

詩的に完全無防備に言語世界は 
あなたの意のままに繰るのです 
  
わが胸に 奥底に 広げられたし 鳩よ 
あなたが 
時の使者より送り詣でる 伝書を届けられた 
そのとき わたしは
密約の諸事項を 知ったがための 
ヴィジョンを走らせ 美音を引き抜く
あらゆる行間から同時に言葉は、解かれ
放たれていったのです
    
    
わが胸に 奥底に 広げられたし 鳩よ       
あなたが送り詣でつきたた伝書が 
詩的に言語世界をあなたの意のままに作らせていくのです
わが胸に密約の諸事項を 知らせたあなたの意のままに言葉が繰る 

いったい密使者が誰であり何たるかをわたしは知るすべもありません 
その本心たるや核心すらみえず今でもおぼろげに月は青く曇っている

ただできることは


わが胸に 奥底に 広げられたし 鳩よ    
わたしがその事象を具現させ、詩人であるところに 詩人のたどるべき、必然的史観に
私もまた
立つべきだと   思い知らされたのです
     
わが胸に 奥底に 広げられたし 鳩よ
この旨をあなたの主に。
     
わが胸に 奥底に 広げられたし 鳩よ
この旨をあなたの主に   お伝え申しあげください



凡庸なる精神の牢壁に塞ぐ我は
かかるかの静寂を崇いしとき

願ってやまぬ平穏がたいそう隠厭なものに感じるとあっては
幼きままの私というよりほかない


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        風
     どこからかにおひかぎつけやってくる
         



 

        月

     つきがなげくそのむかしのまだむかし
     せんりゅうとはいくつきとすっぽん?
     しらないぼくはつきをみてみてみてみ
     ふたまたかけてきみのめをみてつきみ
     ひとはながくつきとともにうたつづる
     ひとはなげくつきとともににしへむく
     うたいびとなげくつきこころのかがみ
     にしにしずむつきをみずにながめてる
     つきををごくりとのませるはなしする
     つきつきつきつきおもいおもいおもい
     憑き着き尽き衝き突き吐き撞きならす
     想い念いつづけて面食らうそのつきに
     なにもないいまのぼくにはただのつき
     そんなきょうちがないからつきをみて
     みてみてみてみてみてみてみせられて
     ちらつくあかぐもみてみてみてみてみ
     そそぐひかりのきべんをちらつかせて
     のーとをぱったりとじそれでもみてみ
     つきになになげく? つきがながいか
     かみのてんじょうぱたりととじまのび
     しったところでなにになるさああさだ
     あさはかなこころのかがみをしのばせ
     ちらつくまぶたのきさきにつきがある
     まぶたにまたたくつきはきっとつきだ
     こころにあるもののひとつがつきなら
     なげくつきはそのむかしのまだむかし
     なにもないかたずをのみただそこにあ


             2014 6.9


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