死とに知られた思考


出来損なったまじょるか赤く点滅したテールを消して、軽ハンドルを切り損ね、痙攣したまま、むざむざむざと腐るほど生きながらう人間を丸呑みしていった。子どもが故意に人をあやめることは、あった。91年、我が母校飯田の生物班のテントのなかで、私は二階の窓から覗きこむ、救急車が赤く点滅しながら音もなく入りこむ。大勢の人々に囲われ担架に運ばれていく。……

花園町の架橋の下を歩く。ラリークラークのキッズを思いだす。ストリートダンスの踊り子たちがきょうは人っ子一人居なかった。

なま暖かくネムケを誘う、白蓮の嗄れた花片が、枝葉から少しずつ剥がれ落ち

ている足元近くへ、ひろがる幹とち面、時と空を、ひとつの網目に統めている。
頭痛飲み過ぎ、今夜は中途の、仕事の宿題、終らず重い、カタがつくか否めない。

記憶は化膿せず痂となり肌の表面を再生させている。同じ器でも中身が変われど同じ器であるかぎり外見を作って飾り付けても意味はない。表面は飾りではない。
表面の―裏を掻く、先を読む、基礎を今に、甦らし
たとしても、ほんとうの描くしれ。思考も其処に照らして焦れ。

這いつくばう餌狼よ
猫の額に墜ちたビナス
数えきれぬふたつの瞳に
数兆ものニュートリノ
貫く。

焦れ、夜の、俺たちの
星を歩いて

まめやかな体躯
ほっ健てたあばら家の天井に
天上が見える。

木星の木調がレールを敷く。