原発に対しての意見

 すみません発言させてください。

 少し話題が逸れますが、言葉は人の心を動かす。言葉が人自体をも動かす。言葉でそれが出来る、だから我々は詩を書こうとしているのかもしれない。と思うことがあります。けっして世界を変えられるとは到底思えません。複雑極まりない現代社会です。論説を発表する有識者らの社会的影響に比べ、一般の文学と呼べる、詩を書く者にとっては、もの凄く非力であるに違いありません。ですが、言葉とは、人間の意識や価値観を変え、動かすかとのできるもの。動かしてきたこと。(社会的、科学的、哲学的分野で綴る論説やエッセーも私は文学と呼んで差し支えないと思っています。) 良い方へ向かう判断はどれも言葉によってジャッジされることに変わりはありません。しっかり見抜き、これからの先を読めるヨミを詩を書く者でさへその責任が試されていると気がしています。身近な隣人や次の世代に言葉で伝えていくこと。本当に微微たる努力なのですが。
 なんだか空想的、理想的、楽観的な発言です。『わかってるがな、んなこと。んな悠長なこと言ってる場合か!この、どアホ。』と反駁をくらいそうです。
 一生活者の私がやれたことのひとつは、eo光ネットを解約したり、一時期、半年間電気不買で消費を停めたり、『一人でんなことやってオマエは阿呆馬鹿か!』と言われながらも、やっておりました。半分笑い話に思われるかもしれません。電気の省エネ推進のためではなく自分のために、やっておりました。電力関連会社のネット再契約は金輪際しないつもりです。
 電気を買わない生活は余程困難ですが、出来うる限り生活圏から‘これら’を物理的に排除し切り離していく努力を続けていくつもりです。
 なぜそんな訳のわからない行為に走ったかはいろいろあり、上手く説明できません。ひとつの理由として挙げると、911以降アメリカの起こした中東への報復戦争。その頃読んだ本、ノームチョムスキーの書かれた内容が思い出され、自身がそう動いた次第です。うろ覚えで不確かですが、おおよそ言わんとしていた中身は…
 軍需に関わる物資や武器、その供給を賄う労働者、その資本を支えるあらゆる大企業、マクドナルド、ディズニー、シェル、Coke……それらを購買し、それらに関わるすべての消費生活者が、そうした市民がいくら反戦しようが、擁護しようが、同じ域のむじなである。(日本もまた経済的にも物理的にも関与したことは勿論。)
 我々がいくら良心でそれを許さなくても心の裏にそのうしろめたさを抱え社会生活を送り、暮らす。その自己矛盾のなかで結局は国の民間の経済、情勢、大義名分、思潮、社会全体の協同のうねりに呑まれ流されていく。自由主義、資本主義経済の、国家はそれが必然である。そしてまたこの先世界では戦争・内乱はなくならないだろう。だが『個人がそれに関わらないように生きていくこと』これは可能ではないか。
 …とか、ひらたく言うとそんな内容だったとおもいます。当時アメリカ国内の、平和運動家たちは組織的にそれら資本の流通をなんとか食い止め、矮小化させようと試みたようです。民意の感情を反戦の意志に促す運動、逆の意味でのプロパガンダを行うよりむしろそちらの方がより現実的な効果を生むだろう。とチョムスキーは推論していました。実際のところ私(筆者)は後々どこまでその成果が出たのかわかっていません。謝辞。
 物理的に原発は私のなかではもう無いものとし、拒絶し無視していく立場で今後の生活を臨むつもりです。身体に今後も取り込まれていく核種はどうしょもないですが、物理的に拒絶しながらも精神的にはよく知り、この問題を自身で捉え、自分の考え(思想)を固め、後生や隣人に伝えていけたらと思います。
 
 もうひとつ、ここで述べたいことは、私が思うに原発についての事態を我々は、思潮を基底とするイデオロギーや近況の経済状況から切り離し考える必要があるかと気がします。有識者はじめ我々も、実態を常に科学的に見ていかないと本当に日本は判断を誤ると気がします。そしてもっと海外から原発技術者、医師、放射線医療技師、科学者、国連機関からも助けをもらい、WHOのスタッフ…、そうした海外の人材を頻繁に投入し、実態の把握、解決に参加してもらうべきです。金を払ってでもそうやるべきです。政治的実行力のない者がここでこんなこと発言しても無意味かと思いますが、そんな気持ちです。利害関係のなかでがんじがらめになってしまっている日本である気がします。情報と宣伝、誇張と隠蔽、反対と推進、党利党略、あらゆるやり方でこの原発を利用しながら、私たち自身の身動きをとれなくさせてしまっている気がします。 今私からの確かな思いとして感じることはこれくらいです。具体的提言も弱く、まだウロウロとし迷走しながら記しています。考えも浅はかと思われます。意見、捕捉、反駁などくだされば幸いです。
/以上です。
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GENKOU