ムマ

五つの星条を模る龍が 夢うつつに
絵画を見るように私を 見つめてる
しずこころなき西方を 向いている
宙をくる巻きくゆらせ 揺れる草葉
折り畳まれた部屋には 天井游ぐ物
ミ ニ マ ム 住む生き物が 眼を開けた
市井にまるかり潜んだ セ ピ アの紋
伽藍の牢獄に仰向けて わたし微か
心愛しこの部屋にいて 繋ぐ夢うつつ
心棚びく風がバ タ ンと バ タ ンと揺れ
わたしは再び眠り落ち かかりながら
再び目を開けたら龍が 天井見下ろし
   ムマムマムマムマムマ
    ムマムマムマムマムマ
   ムマムマムマムマムマ
      ムマムマムマムマムマ
  ムマムマムマムマムマ
   …ムマムマムマムマムマ…ムマ 
   ムマムマムマムマムマ…
     ムマ 
   ムマムマ ムマ (◎)
     〜    〜
    (●) ムマムマムマムマムマ
   ムマムマムマムマムマ
     ムマムマムマムマムマ
    ムマムマムマムマムマ
   ムマムマムマムマムマ
      ムマムマムマムマムマ…
    ムマムマムマムマムマ
地を這う竹の根の ベージュ の毛織り
草の葉の息を吐いてるくすんだ文字
意識はなだれてその背後にいる文身
向こう夢から降りてきた私を観る龍







いきれた日のに

3/13 (火)
辞書のように重く
レンズを手でおろす
労働とは肉体を酷使するものだ
何時間もかけてうどん粉を手で捏ねるように
レンズを轆轤で回し砂をまぶして手で捏ねる
僕の欲しかったこの特大の30センチメートル径のレンズ
どれだけ星や月や惑星がはっきりと見えるだろうか

皿が回る目が眩む、回る皿に砂の砥粒を入れながら
レンズをコンマ数ミリでおろしていく、手指には血も混じる



雲が散りぬるときのよ
青春というダサいあの
心遠ざかるヤスリの世
邪悪なジャックの風よ
雲が散り塗るときの世



3/17
目をしばたたくフラッグ
砂が星たち彼らを転がす
F-36戦闘機搭載となる
レコードを回すように
レンズを回し音を聞く
パレスチナの子の泣く
姿を思い浮かべながら
レンズを砂でおろてる
レコードを回すように
レンズに泣く声を聞く
ときの金に笑えない人
命を殺して生きていく
人を快く殺す妄にいり
そんな滲みかかる目を
落とし働きながら考え
誰もが決めかねるはずの主義よ
誰もが決めかねるはずの主義よ

鉄皿を回しながら
アイオズシーリング
鉄皿を回しながら
アイオズシーリング
わたしはただの天井だ!
ジェラス・ガイ
指を幾度も縫い
小指を滴る血を
よく舐めながら
いつか死ぬ子からか、
空からよく下りてくる