皐月雨 緑のリズム


渡月のはしげたのつぶさなひとつめこぼしが、青くそらからあがられないでいるのをみている。

したのよこのあおじろい川が、はかりしるときをしるかのようにぼくのたそがれを支えている。

わたしのきこえぬきざしが自然のなかからわきあがる。

川と空の空爛の橋の下には、緑のリズムが飛び跳ねていた。


タ 
 タ
  タ
   #
    #
     井の蛙

たらた蔓這う縦糸 糸瓜

ポンカンビードロ 雨粒

吹く風に花をみる 頭上

たまに川を帰り路 渡り


くぐる雨をいくつもくぐる慣れたルートを帰り路しなに 重い鞄を日1日開けることなく働く自動車を軒下で眺めた。

雨が小降りにさしかかり 今宵夜空を上目にありく 灰と黒の結んだ布地傘をデッキに差しながら バスストップで働く乗り者を待つ。

軒下に透けた生糸や骨がぶらさがる。支柱と梁には絢爛な彫りや塗りがまわりを固めている。目をしきりにめぐらせながら段を踏む。

目映く鳴らす夕立を、喧騒音飛ぶレコード針に落とし、午後5時ショパン葬送行進を帰りのバスに乗せていた。

たらた蔦の耳のなかを這うリズムは緑色。
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ポンカンビードロ
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はいろくくぐもるあめもよい けして踏みいることのできないクルアーンを唱え。いつも鞄にしのばせていた贈り物、一身上の胸を裂くことの数限りない血の運命。人々をみひらくけして解き明かすことの許されない血の運命
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今朝がたようやく雨があく
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ようやく雨があく
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