空欄

くぐる門をいくつもくぐる 慣れたルートを行き路しな 重い鞄を日1日開けることなく働く自動車を軒下で眺める

雨が小降りにさしかかり、今宵夜空を上目にありく、灰と黒の結んだ布地傘をデッキに差し、バスストップで働く乗り者を待つ

軒下に透けた生糸や骨がぶらさがっている。支柱と梁には絢爛な彫りや塗りがまわりを固めている。めをしきりにめぐらせながら段を踏む

はいろくくぐもるあめもよい けして踏みいることのないクルアーンという贈り物 

一身上の胸を裂く数限りない血の運命、読む者の人々をみひらく、けして解き明かすことの許されない血の運命、読む者の人々のこころをみひらく