ジ イン クラウド

澄んだ空気に街は新緑が萌え、八重桜は散り際に 歩いていた久しぶりに 調子を取り戻し、季節の移り行きにとても機敏な僕らは、京都今出川通りを抜けほんやら洞、というお店に立ち寄り、素面で甲斐さんとご対面。
っていつもまた来たゲンちゃんやん。あぁ〜と怪訝そうな顔で厨房内から僕を見る彼は居た。
甲斐さんとはまぁ、怪しくも、どこ視てどの心眼でファインダー覗きシャッター落としているのか、いまだ皆目解せぬ私だが、甲斐さん本命の写真は、不思議な魅力を持つ。そのプリントを直に観るとちょっとスゲェな、確かにみせてくれる人だ。甲斐さんの写真はポートレートや人の日常スナップだがすごくいい、普段僕らが目にするものを、どこにもない写真のように見えて驚いた。上京したての頃、本屋でふと手にして開いた彼の写真集、なんだろう、観る者も、観られる者も、同一だ。写真に居る人、彼らが向けた両眼、一眼レフ。その気持ちのピントが、とても豊か。彼はあてずっぽにシャッターを切ってるようで、しかし子供も美人も佇む街の喧騒も、そうした空気感も、きちんと陰画に残す。

自分はこのごろ、読書と労働に四苦八苦だ、加えて体も不調であったためか

しかし今日は久々街を出歩き、堀川通りをぼちぼちほっつき歩いて、ほんやら洞やらとかいう店に立ち寄ったのだった。



比良八講あれじまい。何かとつらき冬すぎて、梅、桃のつぎは桜もとめて風の赴くまま。気がつけば、子らと遊びし古門前、さらには根強い人気のこのかいわい。風に吹かれ、思い思いの撮りっこの女の子。思わず横から一枚。(C)甲斐
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毎日新聞、夕刊、東京版、4月3日〜、毎週写真と一筆啓上の甲斐さんの記事が載っているそうな。そこらへんのクダラナイ物書き記者よりもよっぽど読んで面白い。原稿に筆文も奮う雑種の人だ。なかなかの物書きだ、と一目おくが、上の講壇じみた筆文も、どこから
でてきたか、甲斐さんの怪文もやはり謎。

玄ちゃんの詩は、詩じゃないやん、あんなもん怪文や。歯もなく笑いとばす、言われてもそれでもちょっと面白い、と言ってくれる人、京都で唯一の人である。

新聞には京都の思い入れを、他のいろんな作家、歌手、政治家やらの、インタビュー記事を抱き合わせ、いずれ新潮社から(一年後、来年)出版予定だとか。

甲斐さんの写真やこうした文も一緒に本に載るといいですね。(私)

何いってんの、写真と僕の記事がメインやで。(甲斐)



ょっと ブログでも更新しよか と 只今私は、ネットカフェにきて いつもの好きなVincent Moon の最新動画 
http://vimeo.com/35669977
インドネシアからの唄と舞踊にちょっと感動している始末。この人も写真から映像作家に転身した人だから、たぶん甲斐さんもワカルだろうな。今度教えてあげよう。http://vimeo.com/3227431森山大道や、中平卓馬高梨豊、らの一連の日本アングラ、ブロヴォーグ写真集団を、今更ながら焼き直している感じがある、でもこうした白黒の荒さが、とりわけ黒く塗り潰した陰画に、惹かれる。かなり日本人のやった映像や写真のノウハウをしっかり盗んでる。

堀川を歩き文章スケッチしながら、ほっつき歩き、側溝のトンネルで、ごじゅうからを探した
山へと渡る四十雀

わだちにかたまる
ユウスゲ
アケスゲ射す陽春

訊ねてまわる小鳥ら
喜怒哀楽をしのばせ
ヒョリヒョリ流れる
口嘴

妻楊枝も
針刺しも
息つくカノン

ひっそりした街に居て
陽に誘われた春雨が
一面の桜花を祓いつ
行き交う鳥らはつらなり
つらなる空へと羽ばたく

立ち止まった景色はいつ
もの私の故郷だったから
後につられていつか空へ
とわたった、ほんの僅か
な時を残し、彼岸の不帰
はもうとっくに暮れた

陽春不帰の
よこつらを
ラムゼイルイストリオ
http://www.youtube.com/watch?v=0vJaJXZ6NNE
身体の隅々へ
行き渡らせ
歯にくるむ
往復ピンタのカマ
くぐもるラジオ
クロードチアリ
ギターソロ
Terry Riley
and Kronos Quartet


カウチ
疲れた雛壇を
飾りなおす少女が
華やぐ歌の
白い洞窟が
陽光差す
小型の風に
煽られ
海月と
桃尻とを隠し
太く静かに息をする
蝋燭の火が
音もたてずに揺れる
弾む毬もエプロンも
オタマジャクシも
せせらぎ
きをひかせてコヨーテ
のお貌もぺっちゃんこ
かぶってこちへおいで

スライドしていくから

何故だろうか?
口から流れでた
肌を抜けていく


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