宝ヶ池散歩

見晴らしの彼方から冷え冷えとした湖が火照っている借景の比叡山

地理的条件をまっすぐ水平に遠く際立たせ、俄然蘇ったあの女の平たい乳房。

車のキィを止め私が気安く話す話しを、途切れ途切れにかの女は待ち構える素振りを見せて、青く火照った月明かりを照らすかの女の顔ににじりよる。


瞬く間に私の強姦を受け入れる。


唯名的に実在する個物の名を呼びあい、

春日井健/
愛などと言わず抱きあう原人を好色と呼ばぬ山河のありき


大好きな短歌を手元で拾う、宝ヶ池公園にて、凍えそになりながら携帯打ち捨て。終わる